AEVE ENDING
「っどうしたらいいのか、わからないくら、い、っ、ひばり、…が、」
蠢くような白い腹をぶち破って、中の中まで掻き抱いてしまいたい。
―――まだ、足りない。
足りないんだ、橘。
「ぅ、あっ」
ひとつになれない苛立ちをぶつけるように、その小さな体を乱暴に抱き抱えて、白い波間に溺れさせた。
今すぐ全て暴いてしまいたいのに、それでも今、橘が口にしようとしていることを、どうしても直接聞きたくて、だから。
「っ、」
シーツに押し付けた体を囲うように腕を立て、脚を絡め合った。
逃げないように、真正面から、緩く、大切に、拘束して。
「…、ひば、」
その目が一瞬、脅えた色を浮かべる。
それをわざと気付かない振りをして、その視線と視線を合わせた。
伸びた前髪が遮るように掛かっても、橘は眼を逸らさない。
(あぁ、もう)
窺うように見上げてくる雛鳥のような眼を喰らいたくて喰らいたくて、己の欲が神経質に疼く。
震える睫毛の付け根すら愛してしまいたいと思うのに、それができないことに歯痒さすら感じている。
内から沸く嗜虐心に、ぶるりと身が震えた。
「こわ、い…雲雀、」
そう困ったように、言う。
沼底に墜ちていこうとする彼女の、唯一の抗いだろうか。
(―――そうだろうね)
確かに血走っているかもしれない。
今はこうして、彼女の言葉を待つだけでも辛いのに。
「続きは」
だから促した。
我ながら、即物的だと思う。
でも、こんなにも焦れるのは、「橘」だからだ。
それが免罪符とは思わないけれど。
「…言って」
共有する言葉を。
(―――本来なら、罪を背負うべきは僕なんだ)
全ての元凶。
僕が存在したが故の犠牲者である彼女を、僕のせいで傷付いてしまったも同然の彼女を、殺すように、僕に溺れて息絶えてしまうように抱きたい、なんて。
―――どうかしてる。