AEVE ENDING









「…貴女は、大丈夫だ」

それは不思議な言葉だった。

真醍の嫁は、見た目よりも勇ましくはっきりとした口調でそう口にした。

なにを根拠に言っているのか解らないが、母親であること、女であること、倫子と同じ性を持つ者としての、男である雲雀にしてみれば無責任にも聞こえる言葉。


「…決してひとりにはならない。貴女は、大丈夫だよ」

それを受けて、倫子が雲雀を見る。

それが馬鹿馬鹿しいまでに嬉しかったなんて。



(本当は…)

産ませてやりたいと、どこかで願っていながら。

(本当は、)

心の片隅で二人の子を産んで欲しいと、乞うているけれど。

(本当の意味で血肉を分けることが、真実として君を僕のものにできる気がするから)

命の連鎖で彼女を繋ぎ止めていられたら、それは幸福と呼べるのだろう。


『橘がいてくれるなら、それで構わない』

そしてその想いにも、偽りはないから。



―――彼女はぼくのもの。







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