AEVE ENDING
『悲しみに暮れるばかりでは、兄様に怒られてしまいますから。―――それに』
どんなに辛いことがあっても笑っている、とても素敵な人が近くでお手本を見せてくれるんです。
そう言ってちらりと倫子を見た真鶸を、雲雀は目を細めて見つめるしかなかった。
少しずつ、けれど着実に、成長している。
兄として、唯一の家族として、そして彼から親を奪った者として、それがとても誇らしかったと、雲雀は倫子に小さく漏らした。
そして倫子は、その真鶸の真っ直ぐさを目の当たりにして、自分に目指すべき先がないことに気付いたのだ。
「ついでに君の分も申請しておいたから、部屋でだらだらしてるくらいならついてきたら」
そしてそんな倫子の消化不良を見透かして、雲雀はそんなことを言う。
今日は十回中あるかないかの一回らしい。
「…あんま甘やかすなよ。駄目になるぞ」
「自分でそんなこと言ってるうちは大丈夫なんじゃない」
真鶸を呼んでくる、と言い置いて、雲雀はその真っ直ぐ伸びた背中を倫子に見せて出ていってしまった。
醒めたくもないのに、醒めていく。
(―――桐生は、地球の為に、自分の為に、動いた)
そのやり方は決して正しいとは言えなかったし、歪みまくっていたが、それは今の倫子にはできないことだ。
―――雲雀という片割れを愛し、愛されている。