AEVE ENDING
「あ、倫子!」
不埒なピクニックから部屋へと帰る途中、医務室から飛び出してきたアミに倫子と雲雀は捕まった。
「どこ行ってたのよ、もう!」
腕を捕まれて医務室へ雲雀もろとも引き込まれれば、奥田とササリが緑茶とコーヒー片手に寛いでいる。
「なにしてるの?」
奥田の姿を認めた途端、雲雀の眉間に皺が寄った。
「ひっどいなー、雲雀くんてばぁ!一応ここは俺の城なんだけどね!」
「気持ち悪い」
「瞬!殺!」
テーブルに置かれていた熱い緑茶を頭からかけられて悲鳴を上げた奥田を無視して、ササリは倫子へと歩み寄った。
「貴方達、最近よく姿を消すみたいだけど、一体になにしてるの?」
切れ長の美しい目尻が向けられ、倫子は誤魔化すように苦笑する。
「なんもないって。アミもササリも気にしすぎ」
隣でぎゅっと腕を掴んでいるアミにも笑みを向け、倫子は簡易ベッドに腰掛けた。
奥田はまだ悲鳴を上げている。
「真鶸くんも気にしてたんだからね」
アミが膨れ面で倫子と雲雀を責めた。
その言葉に驚きもせず、倫子はあぁ、と口許だけで笑う。
その妙に大人びた笑みがまるで彼女らしくなく、アミの癪に障った。
「仲がいいのは結構だけど、彼にもちゃんとフォローを入れてあげなさい」
ササリがお姉さん然として倫子とアミの頭を撫でた。
「俺も仲間に入れてー!」
やっと悲鳴を上げ終えた奥田がアミに抱き着きながら輪に入ってくる。
雲雀は奥田の相手に飽きたのか、奥の薬品棚に凭れたまま目を閉じていた―――かと思えば、ぱちりとその長い睫毛を瞬かせる。
「…そういえば、東部の新理事長は決まったの」
桐生が死に、その席は未だ空いたままだ。
一時期は箱舟連盟から著名なアダムが臨時で派遣されていたらしいのだが、放り出してきた仕事があるとかないとかでまた連盟へと出戻ってしまったと聞く。
今のところは、西部の理事が二足わらじで席を埋めているらしいが、この先もずっととなると、そういうわけにもいかない。