AEVE ENDING








―――「北の島」。

旧文明の高層建築物が一層一層落ちた枯葉のように重なり、その隙間隙間から大樹が根を伸ばしている。
鉄筋と植物が複雑に絡み合い、ひとつの森のようになっているその塊の、真下。

船が導いた先の、上空を木々が覆う奥まった入り江。


…さくり。

目の荒い小さな砂浜に、このサバイバルセクションに選ばれた六人の生徒達は立っていた。

生徒達を乗せた自動操縦の船は、全員が降島したと同時に早々に帰路へと就いてしまい、これで箱舟へと逃げ帰る道は完全に断たれたということになる。




「反対ですわ」

そこで先程から口論が続いているわけで―――そういえば、このミッションのメンバーをまだ説明していなかった。

先に述べた通り、このミッションに選ばれたのは二人一組のペアが三組。つまり、メンバーは合計六名。

倫子(西)と雲雀(東)。
朝比奈雛(西)と武藤(東)。
鈴木(東)と原田(東)。

倫子と朝比奈以外は全員男子で、東部のアダムである。
そして彼らが今、なにを討論しているかというと。


「いくらペア行動が原則でも、こんな得体の知れない土地でバラバラに行動するのは危険過ぎます。警戒するに越したことはないのですから、島の状況を把握するまでは共に行動すべきです」

これは朝比奈の言い分。
地理もわからない危険な場所で、優秀とはいえ、まだ半人前の自分達は慎重にならなくてはいけない、と。

「けれどそれでは我々の行動自体が目立ってしまう。今回の目的は、とにかく「生き残る」ことだ。団体で行動するより、バラけて身を隠しながら島を巡ったほうがいいに決まってる。幸い、島にいるアダムにならテレパスは通用するんだ。その上で協力し合えばいいだろう」

これは東部アダム、原田の意見。
馬面が妙に目につくが、言っていることはまともだ。

互いに正論をぶちまけているからこそ、決着が着かないでいるわけだが。


「別行動をした上で協力ですって?まだ会って数時間しか経っていない貴方達を信用できるとお思いですの!?」

これは朝比奈、言い過ぎだ。

「…はあ?」

見れば、あまりに強引な朝比奈の言い分に原田と鈴木は完全に引いている。
その気持ち、よく解る。



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