AEVE ENDING
「おい、ちょっとは落ち着けよ。そんなツンケンしてたら助け合いどころじゃねぇぞ」
これは朝比奈のパートナー、武藤。
朝比奈とペアを組んでいるだけあって、しっかりしている感がひしひしと伝わってくる。
雲雀を特別視してるわけでもなく、東部のアダムにしてはちょっと変わっているかもしれない。
(…パートナーがアレだし、初対面とはいえしっかりせずにはいられないかもなぁ)
「橘!なにをブツブツ言っているのです!」
おっと、また勝手に流してしまったらしい。
「とにかくさぁ」
このままでは埒が空かないので、倫子も口を出すことにした。
「こんなこと言ってても仕方ないじゃん。とにかくここは多数決で決めようよ」
倫子がそう提案すれば、武藤からも助け船が出た。
「それがいい。こんな所でいつまでもくっちゃべってたら、いい的だぞ」
朝比奈の柔らかそうな髪を引っ張り、武藤は岩陰へと移動する。
「お離しなさい、武藤!」
「はいはい。お前、もちっと声のボリューム下げろや。歩く目印と行動したくないぞ、俺は」
ぎゃいぎゃい言いながら結局はいいパートナーなのかもしれない。
「原田、あんな女の言う事なんか気にするなよ」
「あぁ、気にしてないよ」
鈴木と原田に関しては元々からの友人同士らしく、互いへの信頼も厚い。
「…弊害があるのは私らだけか」
そういえば、と倫子は自分のパートナーの姿を探す。
一体どこへ行ったんだろうか。
見渡してもあの美しい姿はない。
近くにいると思っていただけあって、いざ姿が見えないとなると焦ってしまった。
立ち止まり、辺りをきょろきょろと見渡している倫子に武藤が首を傾げる。
「どうした?」
「あ、いや、雲雀がいな───」
何気なくそう言い掛けると。
「イヴが雲雀様を呼び捨てなんておやめなさい!恥ずかしい!」
朝比奈が怒涛の勢いで怒鳴りつけてきた。
余りの怒声に思わず後退れば、勢いを増した朝比奈が詰め寄ってくる。
「大体、貴方のような落ちこぼれがこのミッションに参加すること自体が、雲雀様の足を引っ張ることになるのです!まっとうな意見を口にしたところで、所詮は貴方がただの足手まといであることに変わりありません!」
マシンガンチワワである。
「あんた、ほんと声大きいな。黙りなって」
こんな未知の場所で、よくそんな大声が出せるもんだと感心してしまう。