AEVE ENDING




下手に足を踏み込んで無事でいられるほど、雲雀の生活範囲は安全じゃないし頑丈でもない。

準備が必要だ。
あいつのテリトリーに自ら招かせるくらいの、準備と采配と目論見を。

ほくそ笑んだ倫子の気丈な台詞に、奥田の口許は思わず緩む。

(相変わらず、無鉄砲で怖いもの知らず)


『…先ずは信頼が先ですか、倫子先生』
『そうですよ、奥田くん。どんな猛獣も懐柔すりゃあ、可愛いもんよ』
『噛みつかれないように気を付けてくださいね、先生』
『任せなさい』

ニンマリ。
倫子があんな風に笑うなら、大丈夫だ。

例えなにか起きてしまったとして、それは雲雀ではなく彼女を脅かす材料になるだろうとも。
根拠のない安心感と得体の知れない策略に、奥田は妙な気分に陥っていた。





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