AEVE ENDING





───傀儡の力。

精神系サイコキネシスの真骨頂であるそれは、アダムや人間、動物を含む全生物の脳を操作し、まるで操り人形の如く支配する力のことだ。

これを使える者は、世界に数人──居るか居ないかの超希少度の高いサイコキネシスである。
修行して身に付くものではなく、産まれながらの素質が必要とされる禁忌の力。

そんな貴重な能力を使えるアダムが組織に属している―――。

(…なら、捜せばすぐに見つかる筈だ。そこから闇組織について調べていくことができる)

オッドアイの失言に、倫子はほくそ笑んだ。

「駄目だよ、傀儡のことは内緒でしょ!メッ!」

そんな倫子の前で、ロゥに叱られながらリィはしょんぼりと肩を落とした。

ざまぁみろ。


「…でも、ロゥ。こいつを今、ここで殺しちゃえばいいじゃない」

しかし反省もなく無邪気に言い放ったリィの言葉に、ロゥも倫子も目を丸くした。
にこにこと自分の失態を失態とも思っていない笑顔である。

イカれてやがる―――。



「…そうか。そうだね、リィ。やっぱりリィには敵わないや。リィってば天才!」

(えええええ……?)

何故か弟も愛らしい笑みを浮かべて、姉の提案に賛成した。
悪気もなにもない、「殺人」を実行しようとする恐ろしく無垢な笑顔。


「……オイコラ、青少年共。二言目には殺す殺すって、あんた生き物の死をなんだと思ってんだ!こっちは死にたくないんだよ!」

見当違いな倫子と、姉に尊敬の眼差しを向ける弟の声が重なった。

「傀儡の力なら、きっと神様だって操り人形にできるよ」
「この女を殺したって問題ない」
「いいね」
「いいね」

まるで呪文を口にするような不気味さで、ふたりはそう繰り返した。


「…いや全然、良くないんですけど」

イカれた姉弟が繰り広げる偏り過ぎた認識に、倫子は思わず頭を抱えた。




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