AEVE ENDING
「そうよぅ?「修羅」の雲雀くんに試してもらって、もし、…もしよ?少なからず生物への傀儡の片鱗が見え隠れしたら、」
不可能じゃ、ない。
万能の力を若くして操ることのできる修羅が生物への傀儡の術を試す───もし多少でも、可能ならば。
不可能と言える生物への傀儡を操る者の可能性が、ゼロではなくなる。
「いくら修羅とはいえ、君はまだアダムとして半人前だよ。そんな君にできて、果たして世界中に散らばる数少ない傀儡能力者にできないかな?」
まるで挑発するような言い方で、奥田は雲雀を乗せようとしている。
「わざわざ挑発しなくても、僕は構わない。大体、敵自身が傀儡を口にしているのだから、疑う必要もないと思うけどね」
「まぁ、それもそうなんだけどね。ちぃとばかし、アダム疾患、未登録の場合もあるから」
アダム疾患登録。
アダムとして発症した人物は、出生国で数字登録され、国営の箱舟に必ず収容されるようになっている。
気付かれない場合もあるにはあるが、今は優秀な探知系アダムが世界中に網を張っているため、洩れの可能性はゼロに近い。
「…そんなの、有り得るの?」
「有り得るよ。真醍くんだって、網羅対象外ってことで未登録だったでしょ」
―――あぁ、そうか。
倫子が真醍を見れば、真醍は肩を竦めた。
「それに例の双子も、各国の登録ネットワークに引っかからない」
「…あちらにも優秀な電波系がいるようだね。国の探知を妨害してる」
「―――そう。そこなんだよ」
雲雀の言葉に、奥田はぴっと人差し指を立てた。
「国が誇るアダム探知システムに感知される前に、アダムを収容できるアダムが存在するってわけだ」
アダム病患者の収容―──それを国に悟らせず、秘密裏に行える能力と権力の持ち主。
「スケールがでかい…」
頭痛がする。
そんな組織が、雲雀を渇望しているのか。