トラックで輝く君を
「永田、家出る前にちょうど帰ってきた父親が倒れたらしくて少し遅れる。
原因はただの寝不足と貧血だったらしいから、平気だと。」





きっとみずき先輩情報だ。





「そうですか。」



「あいつ、家遠いからな。
だいぶ遅れるかもしれない。」



「でもバスまだ来てないし、大丈夫ですよね。」



「ああ…。」





だんだんと高くなる太陽は、朝からジリジリと私の肌を焦がす。

日焼け止め、落ちてるだろうな。



今日は朝の6時から学校に来て、いろいろ機材を準備したり、先生とみずき先輩と打ち合わせをしている。


しかも、集合は7時なんだけど、6時半前からずっと門の前で選手を待っていた。





気を抜いたら、寝てしまいそう。





「蜜菜、朝から大変だったろ?
今日一日大丈夫か?」



「バスで寝ればなんとか。」



「無理すんなよ。
市村なんか、去年は1人だったから仕事山積みでさ。現地着いても頑張ったせいで、夜に寝込んでたから。」





さすが、みずき先輩。

マネ業に懸ける情熱は誰にも負けないんだろうな。





「…気をつけます。」



「なんかあれば、マネージャーとか気にしないで言えよ?」



「ありがとうございます。」



「別にいいって。」





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