トラックで輝く君を
「佐藤、ペンギンのショーやるみたいだけど…行く?」





なんと!
涼ちゃんからのお誘い!?


私、変なテンションになりそう。





でもね、見逃さなかったよ。

拓馬の哀しげな表情を。
自意識過剰と言われればそこまでなのかもしれないけど。





「見る-!」





でも、私は自分に正直でいる。



自分に正直でいることが、私に今出来ること。

拓馬の気持ちは、あくまで私の憶測でしかないもん。


間違っていないと思うけど。





「私は順番に見て回りたいからパスする。…吉田くんは?」



「ペンギン行ったら田尾さんが一人になるじゃん。だから、パスするよ。」





ってわけで、二手に別れた。

そういえば、夏休みに来たときにも別れちゃったね。
私がはしゃいだのが原因だけど。





「おい、佐藤?行こうぜ。」





「うん、そうだね。」





私は、平静を装って涼ちゃんの隣を歩いた。





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