トラックで輝く君を
バイクまで、私と航兄は無言。

だからって、気まずいとかじゃなくね。話す必要がないってことなの。





「よかった。蜜菜がやっと前に進むことが出来て。」



「航兄には、一番心配をかけちゃったかもね。」



「実はさ、蜜菜のおやじさんから言われたことがあるんだ。
もしも蜜菜が何か頼って来たときには助けてやってくれ、ってさ。」





ふぅん。お父さん、航兄に何言っちゃってんだか。
…嬉しいけど。





「お父さん…恥ずかしいなぁ。」



「いや、その時には、蜜菜のそばには俺がいなきゃって思ったんだ。…避けられたけどな?
でも、それじゃあ意味がないとも思ってた。俺といても、傷を舐めあうだけになる。それでさらに傷つくのは蜜菜だから。」



「うん…。」





航兄の話は、分かるような分からないような。

でも…きっと、私が涼ちゃんを好きになったことはいいこと。



そうでしょ?航兄。





「蜜菜、迷うなよ。
お前がこれから向かっていく道は…輝く未来に繋がってる。」



「うん。…そうだね。」





航兄は、それ以上は何も言わなかった。

ただ穏やかに笑ってくれた。





涼ちゃん、私…
すごく会いに行きたい。



頑張ったな、って褒めて?



あの、優しい笑顔で。






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