アライブ
『苦しみはわからないけど…でも、蓮と同じように生まれつき頭に腫瘍があって苦しんでた奴は知ってる』
青年がそう告げると、蓮は青年の顔を見た。
『今はもう…死んじゃってこの世にはいないけど…』
青年は悲しげに告げた。
『し、死んじゃったんだ…』
蓮は顔をうつむけ、こぶしをギュッと握りしめた。
『うん、死んじゃった。けど…けどソイツ…最後は笑顔だったな…』
青年は目を閉じ、あの時の表情を思い浮かべた。
『え、笑顔!?どうして死ぬのに笑顔なんだよ?そんなバカな…』
蓮は驚きながら尋ねた。
『それは…自分の“生きた”意味がわかったからじゃないかな』
青年はそう言って、静かに目を開けた。