黒くなった、天使
「もっと早く
こうやっていれば良かったんだね」
妖精が見えなくなるくらい
遠くに行った事を確認した天使は、
自分の体中の皮膚を剥がしました。
天使は筋肉や脂肪、
血管が丸見えの体になります。
例えようのない激痛です。
そよ風が吹くだけでも
体が痛いのです。
でも、王様の命令は
聞かなくても良いのです。
天使が手放せない王様は
城の地下室に天使を監禁しました
周りの大きな国々に知られたら
攻めこまれるので、
人目につかないようにしたのです
環境は
前より悪くなった天使ですが
気持ちは晴れやかでした
何処かで
自分が恋した妖精が楽しく
踊り飛びまわっていると
想像するだけで幸せだったのです
気付いたのです
何かを、
誰かを、
恨んだり、
憎んだり、
怒ったり、
そんな事を少しでも
心に持っていたら
幸せなんて思えない。
自分だけを守ろうとしても
真実は見えない。
純粋に好きだと想えれば
何処にいたって
どんな環境だって
平気でいられる。
思い出だけでも
生きていけると。
閉ざされた地下室で、
妖精が最後に聞いた儚石と
最後に覗いた青水晶を大切に、
大事に握り締めていた天使でした
妖精がいなくなってしまった
小さな国は
大きな国に
攻めこまれるまでも無く、
作物がとれなくなり、
魚たちも消え、
寂びれていきました。
人々は小さな国を捨て、
王様も居られなくなり
隣の国へ財産の金銀、宝石を持ち、
逃げこみます。
誰一人として消えてしまった、
薄暗い城、その地下室に
天使は残されました
こうやっていれば良かったんだね」
妖精が見えなくなるくらい
遠くに行った事を確認した天使は、
自分の体中の皮膚を剥がしました。
天使は筋肉や脂肪、
血管が丸見えの体になります。
例えようのない激痛です。
そよ風が吹くだけでも
体が痛いのです。
でも、王様の命令は
聞かなくても良いのです。
天使が手放せない王様は
城の地下室に天使を監禁しました
周りの大きな国々に知られたら
攻めこまれるので、
人目につかないようにしたのです
環境は
前より悪くなった天使ですが
気持ちは晴れやかでした
何処かで
自分が恋した妖精が楽しく
踊り飛びまわっていると
想像するだけで幸せだったのです
気付いたのです
何かを、
誰かを、
恨んだり、
憎んだり、
怒ったり、
そんな事を少しでも
心に持っていたら
幸せなんて思えない。
自分だけを守ろうとしても
真実は見えない。
純粋に好きだと想えれば
何処にいたって
どんな環境だって
平気でいられる。
思い出だけでも
生きていけると。
閉ざされた地下室で、
妖精が最後に聞いた儚石と
最後に覗いた青水晶を大切に、
大事に握り締めていた天使でした
妖精がいなくなってしまった
小さな国は
大きな国に
攻めこまれるまでも無く、
作物がとれなくなり、
魚たちも消え、
寂びれていきました。
人々は小さな国を捨て、
王様も居られなくなり
隣の国へ財産の金銀、宝石を持ち、
逃げこみます。
誰一人として消えてしまった、
薄暗い城、その地下室に
天使は残されました