魔女のカウントダウン☆
『それはそうだけど…もう9年目だし…』
お気に入りのカエルのクッションを抱き締めながら、項垂れるあたし…。
『それが何?』
歩夢があたしを睨んだ。
『中身の無い9年に何の意味があるの? 毎年、こんな都合のいい女やってて楽しい?』
『別に、楽しくは無いけどさ・・』
『めるはさ…自分の事になるといつもそうだよ!ウジウジ悩んでばかりで、ちっとも、前に進もうとしないじゃない』
次第に大きくなってゆく歩夢の声を加奈が『まあまあ…』と言って押さえた。
『じゃあ…どうすりゃいいのよ!』
意地になって、そう言い返したあたしに、美紀が口を開く。
『める…肝心な事 何一つ言えないで…本当の自分押し殺している、そんなの恋愛じゃないよ』
その言葉の後押しをするように加奈が言った。
『める…貴女、文人君の事、本当に好きなの?』
『えっ!!』
瞬間、あたしは固まった。
好きなのか?と訊かれて、浮かんだのが、文人の顔では無かったからだ。