魔女のカウントダウン☆
歩夢の家からの帰り道、あたしは、最後に言われた歩夢からの言葉をずっと、考えていた。
『める…自分の心ともう一度ちゃんと向き合って見なよ…』
家に帰って、ベッドに潜っても、 ぐるぐると頭の中を回転している歩夢の言葉
その言葉は、後日 文人を目の前にしても、ずっと、あたしの思考の大半をしめていた。
『どうした、める?外ばかり見詰めて…』
文人が心配そうに、あたしの顔を覗き込む。
『あっ、ごめん…外にいるサンタが寒そうで、気になったの…』
あたしは、慌ててごまかして文人を見た。
『ああ…サンタのケーキ売りか、イブは戦争だな』
文人が笑う。
今夜は、文人とやっと 過ごせるクリスマスイブ
毎年、浮気され続けてきたあたしにとっては、信じられない程、素晴らしい夜だ。
しかも、こんな素敵なレストランで食事して
伊勢海老のムニエルとかって、食べなれないもの迄、テーブルの上にあって
『める…乾杯しよ』なんて、文人がワイングラスを片手に微笑みかけてくれて
あたしは、本当に 幸せで
・・・幸せで
幸せなはずなのに・・・