魔女のカウントダウン☆

震える心


大晦日

父と母は、何年か振りに家にいる娘に、目を丸くさせていた。

母が訊く。
『ちょっと、どうしたの?今年は友達とスキー旅行に行かないの?』


『なんか、今年はみんな忙しいんだって…』

あたしは、リビングのソファーに腰を降ろし、リモコンのスイッチを押して、テレビをつけた。


本来なら、10月の半ば頃に例の3人とスキー旅行の計画を立てるのだが、今年は、美紀も加奈も、歩夢でさえ、用事があるからと恒例の旅行計画は中止になった。


まあ…美紀は、雅彦と過ごすと言う事位は察しがつくが、歩夢と加奈の用事と言うのが、解らない。。

まさか、哲太や一也と付き合ってるとか?
他に、彼氏が出来たとか?
色々と2人に探りは入れてみたが、歩夢も加奈も意味深な含み笑いを浮かべているだけだった。


テレビをぼんやり眺めるあたし
今年一年間の芸能ニュースなんて観ても、さっぱり興味が無く、つまらない。

文人とも、綺麗さっぱり別れたし…

何もする事がない大晦日に
口をついて出るのは、深い
ため息ばかりだった。



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