魔女のカウントダウン☆

会場内の扉が『バタンッ!!』と大きな音をたてて開く。 中からは、『花火だ!!』と叫びながら、最初に子供達が飛び出して来た。
やがて、後を追うように無数の人の群れが押し寄せる。

その瞬間、俺は 新年の幕明けを知った。

人の波の中から、例の女が、俺の名前を叫んで、姿を現した時は、マジで焦った。
何か言おうとしためるの口を塞ぎ、慌てて柱の影に隠れる。

と、同時に俺は、めるの姿を探している、インテリ野郎も発見した。


『どうする?お前の事探してるぜ、あのインテリ野郎の所へ行くか?』

俺はあの時、めるに訊いた。(これ以上、何を話しても、無駄だ)

『行く』と彼女が言ったら、大人しく離してやるつもりだった。


・・・だけど


その瞬間、めるは 今にも泣き出しそうな表情で俺を見上げたんだ。

『そんな目で見るな…』

自分の声が震えているのが解る。

『そんな目で見られたら、お前をめちゃくちゃにしたくなる!』

俺は、そう叫んで、めるを自分の腕の中に閉じ込めた。



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