魔女のカウントダウン☆

めちゃくちゃにしてやる…
そう思いながら、あの夜、あいつを乱暴に抱いた。
だけど、頭の隅では…

どうしたら、こいつを自分の腕の中に閉じ込めておく事が出来るのだろう?

そればかりを考えていた気がする。

悔しい事に、俺は…

一年前から、どうしようもなく、こいつに心を捕らえられている。

それに気づいたのは…

行為が全て終わった、まだ、荒い呼吸の中での事だった。


あいつは…泣いていたんだ。


俺に抱かれながら…喘ぎに聞こえた声は、彼女の泣き声だった。


それに気づいた時


乱暴にめるを抱いた自分が
もの凄く、汚い存在に見えた。


『なんで、泣くんだ!?』

と訊いた俺に、彼女は強がり、泣いてないと言う。

その瞬間、傷つけてしまったお前を真綿でくるみたいと思った。

ごめんな…なんて言葉は言えなくて、だけど、愛してるんだ…なんて言葉も吐けない自分に、あの時…出来た事は

『頼むから…泣かないで…』

そう懇願する事と、その溢れる涙を口で吸い取ってやる事位だった。


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