魔女のカウントダウン☆


その夜


雅彦の叔父にあたる、このホテルの支配人の案内で、俺達は、流れ星を見に出掛けた。

険しい山道で、隣のめるが苦しそうな呼吸をしていた。

俺は、めるに『ほら』と言って手を伸ばす。

案の定めるは、強がって手を取らない。

俺は、そんな彼女の手を強引に掴んだ。


目的地に着くと…間もなく
みんなで見上げた夜空に
流れ星が流れた。


その後、支配人から 俺は
初めて、この志賀高原に纏わる、ゲレンデの魔女の伝説を訊いた。

ゲレンデで恋に落ちた男女が見ると幸せになると言う祝福の流れ星…。


だが、それを知った俺の手は、自然にめるから離された。


初めから、承知している事


俺達は、明日で終わる。

終わる恋に、ましてや 俺の片想いに、祝福の流れ星などは流れない。


もし、魔女が本当に居るとして


流れ星を流すなら、どうか
真剣に美紀ちゃんを想う

雅彦の頭上に流してやって欲しいと

思っていた。

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