魔女のカウントダウン☆

もう離さない!


年末の朝は、鮮明に澄んだ青空のもと まさにスキー日和で

志賀のゲレンデは、大勢の人で、賑わっていた。

『幸也君、久し振りだね』
荷物をおろしながら、美紀ちゃんが俺に笑いかける。
続いて、車から降りる、歩夢ちゃんと、加奈ちゃん

この一年、雅彦と美紀ちゃんは、美紀ちゃんの両親の反対を乗り越えて、順調に交際を続けていた。

かと言っても、たまに会う雅彦から、そう訊いただけで、美紀ちゃんと俺が顔を合わせるのは、一年振りになる。他の2人も同様だ。
一也と歩夢ちゃん

哲太と加奈ちゃんは、この一年、どうだったのかと言うと、付き合う迄はいかないが、友達関係は築いてきたらしい。

口喧嘩をしながらも、仲が良かった。

俺達は、1日早く来て、彼女達の到着を待っていたのだが、そこにめるの姿は無かった。


『幸也君、がっかりしないでね…めるは、あたし達がここに来ている事を知らないの』

肩を落とした俺に、歩夢ちゃんが言う。

『うじうじ悩んで、前に進めないめるに、しっかりと自分の意思で決めて欲しくて… わざと、黙ってここに来たのよ』



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