魔女のカウントダウン☆

哲太の横では『そうだ、そうだ』と一也が頷いていた。
思わず、目と目を合わせる幸也とあたし・・・

…まあ、確かに 見上げる程こんな大きな男に、体当たりされるスキーヤーは気の毒だと思う。(あたしが犠牲者だが…)

ーーーーーん?

って、同意している場合じゃない!!

だからって、何で、あたしが、この男にスキーを教えなきゃならないのーーー!!!!


(ねえ!? どうしてぇーー!?) あたしは、釣り上げられたばかりの魚のように、口をパクパクさせた。
・・・だが
そんな心の叫びは、誰にも届かず、数分後 あたしと幸也は、みんなの乗るゴンドラをうらめしそうに見送る羽目になった。

(ああ〜 行っちゃった…)
女の友情なんて、男が絡めば、つくづくもろい物だと思う。

肩がガクリと落ちた。


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