魔女のカウントダウン☆
この後、あたし達は平皿を4枚づつ持ち、ひたすら食い気に走った。
考えて見れば、お昼から何も食べてないし、スキーの特訓で身体、振るに動かしたし、正直腹ペコで死にそうだった。『おい、お前 そっちのパスタ取れよ、俺はこっちのピザ取るから…』
『OK!って、幸也 あっちのローストビーフ忘れないでよ!』
なんて、会話が暫く続いた。
途中、『こいつら、色気より、食い気だわ』
と、呆れながら歩夢が通り過ぎて行ったけど、その時あたし達は、残るキャビアの争奪戦で、そんな言葉を気にしている余裕すら、無かった。
幸也が、キャビアをいっぱい皿に盛って戻った時、あたしは歓喜の声をあげ、勝利に酔いしれた。
『もう、食べれない』
と、はちきれそうになったお腹をさする頃
場内の壁にかかる液晶デジタル時計は、PM11時55分を表示していた。
カウントダウン迄、後 5分
『後、少しで今年も終わりだね』
『うん』
幸也の言葉に、あたしは、深く 頷いた。