魔女のカウントダウン☆

間もなく、場内が暗くなる。正面のステージ上にスポットライトがあたった。
ステージの袖から、白いタキシードに赤い蝶ネクタイをした司会者が姿を表した。
静まり返る場内
司会者が手に持ったマイクを上げた。
『さあ〜 今年も恒例のカウントダウンまで、5分を切りました!! 皆さん、今年一年はどんな年でしたか?』

会場がざわつく。

口々に、不平不満が飛び出した。

『あんまり、みんないい年じゃなかった見たいだな…』
幸也が、耳元で囁いた。
ーーーそれは、あたしも同じ事

あのバカ男の顔が浮かぶ…。 だけど、無理矢理かき消した訳では無くて、シャボン玉のようにパチンッと弾けて消えた。

『幸也は、今年一年 どんな年だった?』

あたしは幸也に訊いて見た。

『う〜ん…』

少しの間、考え込む幸也

『なんか、平凡だったかな』

平凡? つまらなさそうだけど、一番いい答えだと思う・・

『そっかあ〜』

あたしは、下を向いて、小さく微笑んだ。

『だけど…』
直後、再び幸也の声が聞こえる。

『だけど?』

あたしは、顔をあげた。

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