魔女のカウントダウン☆

どちらとも無く、自然と唇が重なった。

だけど、唇が離れた瞬間、急にこれから起こる行為が怖くなって、あたしは避けるように、下を向いてしまった。

幸也の指が、静かに、あたしの栗色の毛先に触れる。だが、次の瞬間、その手が頭の後ろに回った。もう一方の手で、顎をすくいあげられ、強制的に唇が重ねられた。

段々と、激しくなるキス 挿入される舌
『んんッ…』
隙間から、声が漏れる

幸也の手が、あたしの白いセーターをまくりあげ、素肌に触れた。

唇が、解放され 『める』
苦しげに耳元で、名前を呼ばれた。
『幸也…』

あたしも名前を呼び返し、彼に必死にしがみついた。

この部屋に入った時から、もう、こうなる事は覚悟していたのかも知れない…
もう、25才だし 大人だし
ましてや、初体験って訳でもない。

だけど、何故か 身体が震えてしまって どうしようもなかった。
その時、『める、震えてる、怖いの?』
幸也の腕が、あたしを力強く抱き締めた。

幸也の胸に、頬が強く押し付けられ、耳から、彼の心音が聞こえる。

『ドクドクドク…』

凄く、速く波打つ鼓動に 自分だけじゃないと、心が熱くなった。
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