魔女のカウントダウン☆


『解らない、だけど、ウザイって、そんな一言で諦められる程、わたしの気持ちは簡単じゃなかった。訳を聞きたかったけど、店は出入り禁止にされるし、携帯にかけたって無視して出てくれないし…。正直、どうしたらいいのか解らなかったの…』



『だから、もう一度 このホテルに予約を取ったんだね…雅彦に会えるかも知れない!そう思ったんでしょ?』

あたしの言葉に美紀はコクンと頷いた。
そして、真っ直ぐにあたしを直視する。

『ねえ、める わたしバカかなあ〜、訳が聞きたいってさっき、あいつに詰めよったら、やっぱり、ウザイって、もうわたしとは終わったんだって言われちゃった… それでもね…める、わたし…わたし…』


美紀の瞳から、とめどなく涙が溢れ出す。

『美紀』


あたしは、そんな美紀を力いっぱいに抱き締めた。

『諦められないんだよ、める… 好きで 好きで どうしようもないの… どうしたらいいの? 好きな人を忘れるにはどうしたらいい!? 教えて、める!?』

あたしの胸に顔を埋めて、美紀が叫ぶ。


『ごめんね、美紀 あたしにも解らないよ…』

美紀を抱き締めながら、あたしは、そう答えた。


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