魔女のカウントダウン☆

『肉ばっか食ってるとブタになるぞ』

幸也は、バイキングの野菜サラダに指を差す。


『うるさいわね!』

そう言い返したけど、あたしはその、サラダをローストビーフの横に盛りつけた。
別に、幸也の言う事を聞いた訳じゃない!
本当に、肉ばかり食べてたから不味いと思ったのだ。
その時

『ああ言うのが趣味なんだ?』

耳元を掠めるように幸也が囁いた。

『ああ言うのって何よ!?』
あたしの問いに、幸也の指が、壁際にいるスーツ男を差した。
ついでに、困り顔をして相手をしている美紀が視界に映った。早く戻ってやらなきゃと思う、だけど

『何よ、自分だって』

あたしは、反対側を向いて先程から幸也と親しげに話している女に人差し指をむけた。

『ああ… あれは、ゲレンデで、雅彦が声をかけた女グループの1人だ』

涼しい顔をして幸也が答える。

『ふうーん、今年も お楽しみで良かったじゃない!』

これは、あたしからの細やかな嫌みだ。

『めるだって、同じだろ?』
幸也から、嫌みのお返しが返ってきた。
だけど、彼がめるってあたしの名前を呼んだ。
(まだ、覚えていてくれた!)


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