魔女のカウントダウン☆

バカなあたしの思考は、たまらなくそんな事に感動している。

だけど、口から出る言葉は心と裏腹、やはり憎まれ口だ。

『そうね…あたしもあたしで楽しむし、幸也も幸也で楽しんで』


『ああ…そうするよ』

幸也がそう言い残し、背を向けた。
怒った?

と、一瞬 誤解しそうになったけど、そんな訳ないと直ぐに、思い直した。

幸也の背中が、人混みの中に消えて行く。

彼の背中を見送りながら
バカだ。。。あたしは。。。。と思った。

一年ぶりに口を聞いたのに
こんな言い方しか出来なくて…

でも、なんて言っていいのか、解らなかったんだ。

心臓が飛び出しそうな程、ドキドキしている。


鼻の奥がツーンとして、やたらと涙腺が刺激された。
何がそんなに悲しいのかも解らずに、あたしは唇を噛みしめ、その場に立ち尽くしていた。

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