真夜中の向日葵
……これはこれは

夕飯をあたしに任せっきりにする気満々な…

と思いつつも頼られれば悪い気はしない。


 はいはい
 了解しましたょ


とだけ返して

すっかり冷めてしまったラーメンの残り汁を

一気に喉の奥へと流し込む。


「うっわぁ、渚それ全部飲むわけー!?」


テレビで爬虫類の出ている番組を

うっかりつけてしまったときの顔で

麻里が叫んだ。


「別に飲んだって死にゃしないでしょ」


「…だからって塩分摂りすぎなのっ!」


麻里は食べ物のこととか健康のことには

ちょっとうるさい。


将来は管理栄養士を目指しているらしい。


…まぁそれ以外は結構気も合うし

好きだけどね。


ごちそーさまでしたっ

と 手を合わせる。


麻里はまだ少し不服そうな顔だ。


「もー…早死にしても知らないからねー」


んな大袈裟な


と笑うと、麻里は


「だって~~…冬夜君より先に死んだりしたら

渚だって悲しーでしょっっ」


と膨れた。



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