伽羅子
俺は彼女に微笑みかける。

「生徒指導の増川だ。先週転校してきたんだって?」

努めて柔和に、俺は伽羅子に話しかけた。

「本来はこういうのはクラスメイトや担任の先生の役目なんだけど…曽根崎が転校してから学校に馴染めているかどうか、気になってね。少し様子を見に来たんだ」

「そうだったんですか…有り難うございます」

満面の…というには程遠いながらも、伽羅子は俺に向かって控えめな笑顔を見せた。

はにかむような微笑。

いいね…悪くない。

あまり感情を表に出さないタイプのようだ。

その表情が、情事の際にはどんな風に歪むのか。

今から楽しみにしておこう…。

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