ペアリングを外して

 浮気という言葉が、ズシンとのしかかる。

 三村は後悔してるのだろうか。

 迷惑だったのだろうか。

「迷惑なわけないだろ。むしろ嬉しかったよ。だから今日は俺が誘ったわけだし」

 内心ビクビクしながらそう答えると、彼女は嬉しそうにはにかんだ。

「あたしね、大学出てから三年以上今の彼と同棲してるの」

「こないだそう言ってたな」

「三年も一緒にいるとね、色々不満も溜まって、あたしこの人のこと本当に好きなのかなって思ったりしててさ」

 どうやら三村も、今の相手に対して俺と同じような気持ちらしい。

 つまみの枝豆を指でくるくる回しながら続けた。

「この間、小出と十年ぶりに会って……自分が止められなかった」

 そこまで言って、枝豆を指で押して口へと入れた。

 思いは、同じ。

 きっと再会は運命だった。

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