桜の下で ~幕末純愛~
コーヒーってどう説明すればいいの~?

「えっと…苦味のある飲み物…かな?」

その後、桜夜は沖田から一歩進む毎に質問にあい、広くはない家なのに客間に着くまでに
かなりの時間がかかった。

「ここがしばらくの間、沖田さんの部屋になります」

はぁぁ。やっと辿り着いたよ。

「ありがとうございます。畳ですね。有り難いです」

あ、そっか。昔は畳かぁ。よかった、落ち着けるかな。

…あれ?何か私、よかったって思った?

「桜夜さん?どうしましたか?」

覗き込むように見つめられ、ドキっとした。

「い…いえっ。あ、洋服、探してきますね」

桜夜は戸惑いと恥ずかしさで早くここを出たかった。

「あ、桜夜さん」

沖田の声を頭に、桜夜は走って行った。

はぁぁ。どうしちゃったの?私。

戸惑いながら美沙子のところへ向かう。

「お母さん、沖田さんの服どうしたらいい?」

「あら、マニアから格上げしたわね。それにしても、ずいぶん時間かかったわね。お父さんの服のあるところ、分かるでしょ?薄手の服を選んであげてね」

うっ。マニア…痛いとこ突かれたわ。

「もうっ。いいじゃんっ。あの時はそうだったんだからっ。それより、客間に行くまでに質問攻めでさぁ。大変だったよ」

「ふふっ。何もかもが珍しいんでしょ。沖田さんに服を出したら夕飯にしましょ」

「うん。夕飯の反応も凄そうだね~」

桜夜は服を探し、沖田のところへ戻った。

「沖田さん、お待たせしました。入ってもいいですか?」

桜夜は声をかけた。

「どうぞ」
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