金魚玉の壊しかた
「さすが、素手で免許皆伝の達人とやり合えるだけあるな」

円士郎は遊水がこのような所業をやってのけたと知っても、格別驚いた様子も見せず、

「これがあんたの本来の腕か?」と言った。

「まさか」と遊水は肩をすくめて、

「鬼之介の奴が作ったこんな武器でなければ、もう少しマシに戦えるぜ」

まあ、そりゃそうかと円士郎は言って、転がった男たちを見回し眉間に皺を作った。

「話も聞き出さずに殺したのか?」

秋山が、全員一撃ですと円士郎に囁いた。

「話を聞くのにこんな人数は必要ない。数が多すぎたから半分は殺すつもりだった」

咎めるような響きを含んだ円士郎の問いに、冷徹にそう答える遊水は、まるで私の知らない男のようだった。

以前、遊水はヤクザを平然とあしらっていたが、確かにこれだけの腕前を持っているのならば、乱闘になったとしても町のチンピラなど敵ではないだろうし、昔盗賊だったのならばそれなりに腕が立つのも当然なのかも知れない。

しかし今のは──それなりに腕が立つというレベルを遙かに凌駕していたような気がした。


「こいつらは?」

円士郎に問いただされて、私は投げ文のことから説明した。
< 166 / 250 >

この作品をシェア

pagetop