金魚玉の壊しかた
襖が開く音がした。

振り返った私の前に、
初夜だというのに寝る気がないのか、寝間着に着替えていない覆面頭巾の男が立っていた。



「ああ、完成したんだ、その魚」



先程、祝言の席で聞いた、不自然に作られた声とは違う、いつもの彼の声が言った。



「一番最初に見せてやると言っただろう?」



私はそう語る婿殿に歩み寄って、面を覆う頭巾に手を伸ばした。

彼は抵抗するでもなく、されるがままになっていた。
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