金魚玉の壊しかた
部屋を出て二、三歩進んだところで、青文が立ち止まっていた。
彼は寝間着一枚の私の格好を見て、翠の双眸を細めてクスリと笑いを漏らし、
「そんな格好でうろうろさせては駄目だな」
自分が着ていた夏物の薄手の羽織を脱いで私の肩にかけた。
ふわりと彼の羽織に包まれて、ほんの刹那だけ彼の手が首元と肩に触れ、
私はそれだけでどきどきと胸が激しく鳴ってしまって、
想いは何一つ変わらず、やはり私の心は彼にあるのだと痛いほどに知った。
そんな私の前で、彼は再び手にしていた頭巾を被り、美しい金の髪や面差しを隠した。
「あなたは、屋敷の中でもその覆面をしているのか?」
庭に降りて先を歩いていく青文の後を追いながら、私は少し気になっていたことを尋ねた。
「確かに、その容姿では異人の血を引いていることがすぐにわかってしまって──城中では隠さなければ執政などできないのかもしれないが……何も家の中でまで──」
「家人の口からこの見た目のことが漏れると困る」
「え?」
私は驚いて立ち止まり、先を歩く彼の背中を慌てて再び追った。
彼は寝間着一枚の私の格好を見て、翠の双眸を細めてクスリと笑いを漏らし、
「そんな格好でうろうろさせては駄目だな」
自分が着ていた夏物の薄手の羽織を脱いで私の肩にかけた。
ふわりと彼の羽織に包まれて、ほんの刹那だけ彼の手が首元と肩に触れ、
私はそれだけでどきどきと胸が激しく鳴ってしまって、
想いは何一つ変わらず、やはり私の心は彼にあるのだと痛いほどに知った。
そんな私の前で、彼は再び手にしていた頭巾を被り、美しい金の髪や面差しを隠した。
「あなたは、屋敷の中でもその覆面をしているのか?」
庭に降りて先を歩いていく青文の後を追いながら、私は少し気になっていたことを尋ねた。
「確かに、その容姿では異人の血を引いていることがすぐにわかってしまって──城中では隠さなければ執政などできないのかもしれないが……何も家の中でまで──」
「家人の口からこの見た目のことが漏れると困る」
「え?」
私は驚いて立ち止まり、先を歩く彼の背中を慌てて再び追った。