鏡の中のアタシ。
「…うん。やっぱり違う。」
そうしてしばらく黙っていた里菜が、顔をおろして話しだした。
里菜の言葉に、美緒も顔をおろし、里菜をみる。
「思い返してみたの。でもね、残念だったなぁとか、もっと一緒にいたかったなぁとかって思うけど、後悔はしてない。」
「…ほんとに?」
美緒は、首をかしげながら里菜を覗き込む。
「うん。だってやっぱり雄也には、笑っていてほしいもん。あの笑顔大好きだったから。」
美緒が里菜に、聞き返すと里菜は笑顔でそれに答えた。
澄み渡った空と同じように、まざりけのない綺麗な笑顔だった。