鏡の中のアタシ。
「…そっか」
美緒は、里菜のそんな顔を見て、ホントに吹っ切れた事に安心した。
傷を広げたくなくて、今まで雄也の話をだす事も、聞く事ができなかったから。
「うん、それにさ、雄也には大切な仲間がいっぱいいるから。みんなにちゃんと祝福されるような子と、幸せになってほしいんだ」
里菜は、本当に雄也が大好きだったからこその決断だった。
相手の為を想い、自分じゃダメだと身を引く事は、容易い事ではない。
「雄也を本当に大好きだったんだねぇ」
美緒は、そんな話を聞いて里菜の雄也への想いの大きさを実感した。
「え!?今更!?」
「お陰でブレスレット、いまだに外せませんけどね」
美緒の言葉に、心底驚いた顔をした里菜は、腕にいまだに付けられているブレスレットを、しゃらんとならしてみせた。