鏡の中のアタシ。


そんな事をしていた時。
こっちが気付いたのに、気付かない訳はない。


「あっ!里菜チャン!!」


ついに、大地が里菜に気付いた。


ビクッ

里菜にとっての大地の最後の記憶は、大学でだ。

どうしても恐かった記憶が残っていて、身体が反応してしまった。


大地もそれを見逃さなかった。

「ほんとごめんっ!!」


いきなりすぎる展開に、いまいちついていけない。

大地は、里菜の前までくると、一回頭をさげて謝り、それから顔の前で手を合わせた。


今、里菜の目の前にいるのは、よく一緒に遊んでいた頃の大地だった。



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