鏡の中のアタシ。
「…うん。いたよ、雄也も。」
全部言い切らなくても、里菜が何を言いたかったのか、大地は解ってすぐに答えた。
予想範囲だったが、突然でてきた【雄也】の名前に、一瞬ドキッとした。
里菜は、伝えるハズのなかった本音が、雄也に伝わってしまったのが、なんだか少し恥ずかしかった。
里菜は、やっと吹っ切れてきた頃にこんな話になるなんて、神様はちょっといじわるじゃない?なんて思っていた。
「雄也、絶対にあなたに謝りたいハズなのっ!!!」
突然大地をどけて、突然里菜の目の前に現れた女の子。
「おいっ、明日香!」
「だって!!」
大地は、その女の子を明日香と呼んで、落ち着かせようとしたが、その子は興奮気味で、食い下がった。