鏡の中のアタシ。
困惑する、アタシ。


「なんなのよ!もうっ!」

「話があるんじゃない?出てあげたらいいのに…」

相変わらず雄也は、里菜のところへ足繁く通っていたのだが、里菜は絶対にドアを開けない。

見かねた美緒が、開けてあげたら?と諭すが、聞く耳を持たない。

明日香と話したから。
もう関わるなと言われたら、関われない。
半ば意地かもしれない。

里菜は、ドアを開けてしまいたい気持ちを押し殺して、無視を決めこむ。



お人好しと言われればそうなのかもしれない。
今の彼女からしたら、昔の彼女と会うなんて耐えられない。
なのに、会ってくれって頼むほど純粋に雄也を思っているあの子を裏切れない。

そんな気持ちがあった。

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