鏡の中のアタシ。
「俺、今誰とも付き合ってないし、まだ里菜を忘れられない!」
ついに意を決した雄也は、一気に一息で、話をした。
「…え?」
里菜は、思考が停止してしまったように、何も言えなかった。
だってあの子は…?
明日香チャンは?
わざわざ会いに来たのよ?
雄也が、別れてからも里菜を忘れていなかった事は、すごくうれしい。
けれど、信じきれなかった。
明日香の表情や、行動は、なんだったのだろうか?
どうして、あんな事をしたの?
「あ…明日…。明日香って子は…?」
里菜は、一回ためらったものの、思い切って聞いてみることにした。
「明日香は、大学の後輩で…。」
弁解したいのは、山々だが、雄也は、困っていた。
明日香と雄也には、何もない。
明日香の勝手な行動だった。
悪いのは明日香だが、この場に居ない人間を悪く言うのは気がひけた。