鏡の中のアタシ。


「げ−…」

「はぁ−…」

「あちゃ−…」


「………何?」

帰宅すると、雄也のアパートと前で人影をみつけた。

美緒、雄也、大地が落胆するなか、口を開いたのは里菜だった。


「あら☆その様子だと全部バレちゃった上に、ヨリが戻っちゃった感じ−??」

階段にしゃがんでいたが、おどけた様子で立ち上がり、4人に近づく。

そう、もちろん明日香だ。


里菜の目の前まできて、明日香は、キャハハと笑いながら、
「ごめんね☆だって欲しかったんだもん♪」
と、謝ってみせた。


パシッ――――!!


「なにすんのよっ!!」

明日香は、一瞬何が起きたのかわからなかったが、ジンジンする頬をさすりながら、里菜を睨んだ。

「アンタなんなの!?」

里菜が悲鳴のような声で、明日香を怒鳴った。

あれだけ、掻き回しておいて、おチャラけた態度が、ついに里菜を怒らせた。

人を叩いたのは、里菜にとって初めての経験だった。

「それに、アタシじゃない!雄也に謝りなさいよっ!それから麻衣子チャンや、由美チャンや…」

「里菜、いい。」

肩で息をしながら、涙をこらえる里菜をみて、雄也が止めに入る。

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