鏡の中のアタシ。
「大丈夫か?」
「うん、もう大丈夫…」
部屋に入ると、里菜をソファーに座らせて、背中をさする。
だんだんと呼吸も整い、里菜の表情もやらわいできた。
「雄也、冷蔵庫借りるよ!」
その間に美緒と大地が、買ってきた食材や飲み物を冷蔵庫に片付ける。
「美緒−…もう飲む。」
「里菜ったら、早いんだから−!」
里菜が、飲みたくて飲むと言ったのではなく、いつまでも泣いてられないと、場の空気も考えて言った事ぐらい、美緒には簡単にわかった。
だから、美緒も出来る限りの明るさで答えながら、買ってきたばかりのビールを手渡した。