鏡の中のアタシ。
「大地、美緒が好きって事?」
「2人して本当、ストレートだなぁ…」
里菜が大地に聞くと、大地は頭を掻きながら、
「まいったな…ハハ。」
と、飲みかけのビールに手を伸ばし、緊張で渇いたノドを潤した。
「大地には、お世話になったしなぁ−」
里菜は、人差し指をあごにあて、首をかしげ、考えるポーズをとった。
「美緒にも、本当にいつもいつもお世話になってるの。」
真剣な声色に変え、大地を見据えた。
「だから、もしうまくいって付き合う事になった時、絶対に泣かさないって約束して欲しい。」
里菜は最後に、絶対に“うん。”と答えて欲しいお願いをした。