鏡の中のアタシ。
「美緒…ほんとありがとね。」
「クスクス、なによ、あらたまって」
里菜が改まってお礼を伝えると、美緒は解らないフリをして、変なの−と、笑った。
「…美緒は、今好きな人いないの?」
「いない!出会い自体がないもーん。」
里菜は、思い切って聞いてみると意外にもあっさり、即答で返事が返ってきた。
「そっか。出来たら教えてね?」
「もちろん♪あ、大地、イイヤツだよね〜。」
「え!?」
里菜は、美緒に勘ぐられる前に話を止めておいた。
すると、美緒の口からでた言葉に里菜は、思わず飲んでいたコーヒーをこぼしそうになった。
「汚いな−…もぉー。なんなのよぉ。」
ケタケタ笑いながら美緒は、里菜の過剰すぎる反応が気になった。
「な…なんでもない!」
「まだ酔ってるんじゃないの−?フフッ」
里菜は、必死に誤魔化すとまだ酔いが覚めていないと笑われてしまった。