鏡の中のアタシ。


「え?里菜、それ何?」

コンビニにつくと、真っ先に卵を手にとった里菜に、美緒は怪訝な顔をした。

「お弁当の材料だょっ♪」

ルンルンと、今にも鼻歌でも歌いだすかのように、ご機嫌で、他の材料を探して歩きながら答える。

ここのコンビニは、スーパーとまではいかないが、ちょっとした食材が売っていたりして、単身者にはとても勝手が良かった。

「そっか♪雄也につくってあげちゃいたいわけだ?」

里菜がご機嫌に答えると、美緒は、にっこり笑って言った。

「違うんだな〜」

美緒の想像は、まったく的を外れており、里菜は笑い飛ばした。


美緒は、店内をブツブツいいながら、グルグル物色し歩く里菜を目で追いながら、不思議そうにみていた。

すると材料を集め終わったのか、いつの間にかさっさと会計を済ましていた。


「ほーらっ、帰るよ♪」

「え、アタシまだ…」

「いーからっ♪」

里菜は、ぼーっとしていた美緒の手を引き、連れてこうとし、まだ買い物をしていないと言う美緒に対してそれを制した。

もう美緒は、なにがなんだかわかっていなかったが、朝食をみんなにふるまうつもりなんだろう。と、素直に里菜に従う事にした。

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