鏡の中のアタシ。
「えーっ!?今から!?」
「うん、そうっ!」
もう雄也のアパートに着く。というところまで来たところで、やっと里菜がさっきの思い付き美緒に話した。
「2人には、起きるまで内緒だょっ!」
里菜は、人差し指を顔の前に立て、可愛らしくウインクしてみせた。
美緒は、驚きはしたものの、里菜の作戦に乗ることにした。
「じゃ、はりきってぱぱっとやっちゃいますか!」
美緒は、足早に先を歩く里菜を追いかけた。
部屋に戻ると、二人はまだ寝ていて、起こさないようになるべく静かに作戦を遂行した。
たまに、ガタンと音を立ててしまったりするたびに、起きてしまってないか確認しに行き、セーフと、顔を見合せながら、安堵のため息をついた。
神経をすり減らしながら、必死に頑張った作業は一時間くらいで終わり、ヘトヘトになった。
「起こす前にちょっと休憩…」
「アタシもー…」
2人は、一旦座りタバコに火を点けて一息ついた。