鏡の中のアタシ。
「やっぱり…本当にありがとう…」
里菜が改めて言うと、雄也は優しく笑いかけ里菜の頭に手を置いてポンポンした。
「………好き」
「俺も…」
里奈の口から出た言葉は、無意識だった。
初めて人を好きだと実感した瞬間だった。
俺も…と答えた雄也は、静かに里菜を抱き締めた。
2人は、幸せだった。
そんな2人を、周りは部屋の中から暖かく見守っていた。
幸せだった。
ベランダの窓は月明かりとともにそんな2人をうつしていた…。