問題アリ(オカルトファンタジー)
「…………」
「…………」
目が合った。
白い髪が、金色の目が、幼いながらも、どこか懐かしい面影を残していて。
「フィンさん!!」
叫び、駆け出してきたチェスに、少年は「え?え?」と驚いたような声を上げ、駆け寄ってくるチェスから逃げる機会を失い、ガバッと抱きしめられる形になってしまった。
チェスはワアワアと声を上げて泣いているが、少年は何故に泣かれているのか、『フィン』とは何なのかがわからない。
確か初対面のはずだ。こっちの道に来たのは初めてなのだから。学校にこんな少年いただろうか。思い出せない。
自分と同い年のはずのチェスを見つめながら白い髪の少年は首を傾げる。
「な…何、何だよ?俺、お前と会ったことあったっけ?」
「……あ、………ううん、ごめんね、……えと…、死んだ知り合いに、似てたから」
そう言うことでしか話がごまかせない。
忘れられているその切なさが、少しだけ胸を痛めた。
白い髪の少年はチェスを首を傾げながら見つめ、「そっか」と宥めるようにチェスの頭をぽんぽんと撫でた。
いつかのときのように。
あれから何十年と経ったのに、その感覚は今でも覚えている。ただ、あの頃よりも手はまだ小さい。
大丈夫、と目元を拭って笑い返すと少年は少し安心したように笑って庭の中を覗き込む。