君の瞳に映る色
ガラス張りになった窓の向こうに
夜景が綺麗に見える。
通常とは違う少し広めの
テーブルに真っ白なクロスが
かけられ中央にキャンドルが
灯された席へ棗は案内された。

東條櫂斗は席にまだいなかった。

椅子を引かれてそれに座ると、
先程のボーイが
東條様はお荷物を取りに
行かれていますと伝えてくる。

棗は頷いてゆらゆら揺れる
キャンドルの炎を見た。
温かみのある黄色が少し緊張を
解してくれる気がする。

入り口の方で話し声がして
落ち着いてきた心臓が
また早く鳴り出す。
入り口に背を向けて座っていた
棗は振り返るか少し迷った。
足音と気配が近づいてくる。

…この色。

棗の心臓が大きく跳ねた。

覚えのある色が
棗の心に入ってくる。


それはあの黒く深い闇の色。


ヴァンパイアの色だった。





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